症状 

 私達は誰でも病気を治す力(自然治癒力)を持っており、そのために体はいつも働いています。病気を治すということは、体(内臓)に溜まった毒素を外に出すことであり、冷えとり健康法ではこれを“排毒(毒出し)”と呼んでいます。西洋医学(病院など)では、逆に症状(排毒)を押さえ込む方法を採っていることもあって、排毒という考え方はとても理解されにくいようです。
 例えば、鼻水が出るという症状は病気そのものではありません。胃と肺に病気があり、これを治すために胃と肺の毒素が鼻の粘膜から出ている状態(排毒)なのです。ですから、どんどん鼻をかんで鼻水を出した方が早く病気は治ります。
 病気とは、主に肝臓、心臓、消化器、肺、腎臓の五臓が悪いことを言います。そしてこの他の器官に出る症状は全て、五臓のどれかの病気の毒素が出ている状態なのです。つまり症状は排毒だということです。排毒の方法はそれぞれの臓器により違うため、出る症状も、下痢、湿疹、発熱、腰痛、肩こり、頭痛、鼻血、耳だれ、血尿、眼病、歯痛などさまざまです。しかしこれらの体に表われる症状は全て例外なく排毒なのです。
 いろいろな症状が出ているときは苦痛や不安が大きく、早くこれらから逃れたいという思いが強くなります。そして、多くの人は一番楽な方法である薬を使って症状(排毒)を止めてしまいます。しかし一時的に苦痛が消えても毒素はそのままですから、長い年月の間に毒素は溜まり続け、一般に成人病と言われる、癌・高血圧・心臓病など、取り返しがつかないと思われている重い病気へと悪化していきます。  病気の原因は私達の毎日の生活の中にあります。食べ物、服装、住まい方はもちろん、物事の考え方(性格)まで含めた、間違いの繰り返しで病気になっていきます。つまり病気は自分で引き起こしているのです。これまでの生き方を反省し変えていかない限り、病気は治りません。症状には排毒の他に、病気を治す上で精神力を養う“鍛錬”という意味もあるのです。
 真剣に冷えとりを実行していくと排毒の力が高まって、これまであまり出せなかった毒が大量に出て、早く症状が消えます。また自分では耐えられないと思えるような症状でも、嫌がらないで出来るだけ喜んで毒を出していると、ストレスからくる心の毒は作られないため早く良くなります。こうして一つずつ症状を乗り越えることによって必ず病気は治ります。そしてそれとともに精神力も養われ、これまでの生活や自分の性格もしっかりとしたものに変っていくでしょう。

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